バロックのクリスマス
2014年発売のRIAS KAMMERCHOR演奏による「Stille Nacht...」とタイトルされたCD。音源は1972年から1986年にかけてなのだがリマスタリングされたのが2014年だという。アカペラ基本ながら、ときどきコントラバスが加わるという渋い編成だ。テキストはドイツ語かラテン語。
構成は以下の5部分からなる。
- ルネサンスから前期バロックまで13曲
- ロマン派 3曲
- 各国の民謡から20世紀の作曲家による編曲 8曲
- 20世紀の作曲家による作品 9曲
- きよしこの夜
いやはや興味深い。まずは落ち着いて順序だてて説明する。一部を構成する作曲家は下記の通り。
- Adrian Willaert 1490-1562
- Thomas Stoltzer 1475-1526
- Ludwig Senfl 1490-1543
- Michael Praetorius 1571-1621
- Leonhardt Schroeter 1532-1601
- Sethus Calvisius 1556-1615
- Johann Crueger 1598-1662
- Johannes Ecard 1553-1611
バッハやヘンデルに先行するドイツの作曲家たち。ブラームスの目尻が下がるメンツだ。
第2部ロマン派の部にハインリヒヘルツォーゲンベルクがいた。ライプチヒバッハ協会の設立発起人の一人なのだが、作品にについてブラームスはダメ出しの連発で、なかなかCDにありつけなかったがこんなところでとうとう発見だ。
とりわけ楽しい3部。フランス、オランダ、ポーランド、スウエーデン、ユーゴスラヴィア、スペイン、スイスの民謡を1937年に編曲したもの。
20世紀の作品が9曲続いた最後に大定番の「きよしこの夜」がおかれているのだが、編曲者を見て驚いた。オイゼビウス・マンディチェフスキーだ。ブラームスの弟子。ウィーン楽友協会の司書を務めた音楽家で作曲家でもあった。
ヘルツォーゲンベルクとマンディチェフスキー、ブラームスのお友達が2人も紛れ込んでいた。
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