さざれ石
「君が代」の歌詞の中に出てくる。「小石」だ。これがやがて「大岩」になると歌われる。石が時と共に成長するという考えが下敷きになっていると教わった記憶がある。さらに付け加えるとするなら、そこには「石は大きいほうが有り難味も大きい」という思考の方向性をも感じさせてくれる。「巨石信仰」の痕跡をかすかに感じる。
ザクセンの語源を調べていて興味深い話に出会った。現代ドイツ語では「Sachsen」と綴るが、それは古高ドイツ語の「Sahs」(剣)に連なっている。使用する武器が「短剣」だったことからローマ人がつけたあだ名だが、妙に辻褄が合っている一方で、書物によっては「ザクセン」の語源は「石」だという記述もあって混乱していた。
さらに調べる。
古高ドイツ語「Sahs」(剣)は、ラテン語の「Saxum」(石)からの派生語だということがわかった。何故「石」から「剣」が派生するのか不思議だったが、ラテン語「Saxum」は、「大岩」ではなくて「手で持てる程度の石」「小石」の意味だ。実は古くは「剣」が石でできていたことの投影だという。つまり石器だ。当時は「剣」といえば「石」だったのだ。
ザクセンさざれ石。
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