四季のお好み
ヴィヴァルディの「四季」がクラシック界の大ベストセラーであることに疑いはない。それは4つの協奏曲の集合体であり、春夏秋冬のタイトルが奉られているけれど、みんなはこのうちどれが好きなのだろうか?
現実の世界では春が一番好きな私ではあるものの、ここでは熟考の果てに「冬」と答える。第二楽章の雨を、切れ味鋭い冬の描写がはさむ。第三楽章の末尾では、春の気配もほのめかされる。楽章単体となると、ヴィオラが犬になる春の二楽章も捨てがたいが3つの楽章トータルとなると冬と結論する。
バッハはしばしばヴィヴァルディ作品の編曲を試みたが、「四季」にはかすりもしていないのが残念だ。「四季」のバッハによるクラヴィーア編曲があったらさぞかし盛り上がるだろう。日本人は四季の移ろいをことのほか愛するが、バッハはそこまでではないということだろうか。
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