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2021年2月 5日 (金)

無伴奏チェンバロ協奏曲

断りなく「協奏曲」と言えば、華麗なソロとそれを取り囲む楽器群を思い出すよう刷り込まれている。ところがBWV971を背負う通称「イタリア協奏曲」は、芳醇な例外を形成する。これはチェンバロ独奏曲だからだ。CDショップでもコンチェルトの売り場ではない。

生涯プロテスタント地域を出ることがなかったバッハだが、周辺各国の音楽情報の収集にはやたら熱心だった。本人の好奇心だけでは説明がつきにくい。雇い主の好みに柔軟に対応するためという側面もあるに違いない。

各国の趣味様式に敬意を払い、まずは模倣しやがては自作に取り入れる。イタリア風フランス風など自在だ。パルティータを構成する各舞曲の起源ともなればさらにエリアが広がる。

イタリア協奏曲はフランス風序曲と双璧をなす。つまり「協奏曲のイタリア」「序曲のフランス」ということだ。

イタリア音楽の柱はオペラ、宗教曲それにコンチェルトだと断言しても大火事にはなるまい。バッハは自作協奏曲の準備としてイタリアの先人たちに学んだ。その結晶がイタリア協奏曲だと仮に位置付けておく。

イタリア協奏曲で示して見せたジャンルとしての「無伴奏チェンバロ協奏曲」は、イタリア特産のコンチェルトを、ソロばかりか周辺の楽器群もろともチェンバロ独奏に転写するというコンセプトだ。コンチェルトの独奏楽器だけをピアノでという、よくある発想とは隔絶されている。コンチェルトの本家本元のイタリアにはついぞ生まれなかった。

また、のちにバッハは自作のコンチェルトをチェンバロ協奏曲に編曲しているのだが、無伴奏チェンバロ協奏曲という形態を選ばず、ソロとそれを囲む楽器群用になっている。

ピアノの台頭とパラレルに衰退していく。発想そのものがチェンバロの2段鍵盤に依存しているからだと言われている。

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