在宅勤務一年
昨年の3月1日から勤務先の指示により在宅勤務に移行した。もう1年だ。
通勤時間の消滅によって降って湧いた時間をCD鑑賞にあてられるとはしゃいでもみたが、冷静に考えるともっと大切なことがある。
母と過ごす時間がグッと増えた。今年86歳、まだまだ元気で主婦業をこなすが、さすがに不安もある。いわば体力の衰えを気力でカバーしている状況だ。加えて昨今のコロナ過だ。母を極力一人にしないことはとてもいいことだ。在宅勤務中私は2階の自室にいて母は1階の居間にいるのだが、同じ屋根の下に居るという安心感は何物にも代えがたい。
不意の訪問者、不審な電話など外的不安に加え、転倒や病気など身体面の不安もある。
そして夕方1時間、母とともにキッチンに立って食事の支度。母のアシストしながら会話が弾む。時には私が調理もする。これがすっかり日課になった。
子供たちの協力はもちろんだが、私の残りの嘱託生活は、母のケアとの両立こそが求められる。母が心身とも元気なうちにその最適解が見つかったという意味で在宅勤務は新たな地平を開いてくれた。
老々介護というには、まだ母は元気だが、体制だけは物心両面で準備しておきたい。私の子供たち3人に対する母の全身全霊の慈しみを思えば不安も迷いもない。
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