選抜の顔ぶれ
「無伴奏チェンバロ協奏曲」は、ワイマール公の委嘱に応えた代物だから、どの曲を編曲するかは、領主の意向が色濃く反映すると書いた。ヴィヴァルディは下記の6曲が編曲の対象とされている。
- op3-3
- op3-9
- op3-12
- op4-1
- op4-6
- op7-8
3曲選出のop3は「調和の霊感」、その「調和の霊感」ヒットの柳の下狙いとも目される「ラ・ストラヴァガンツァ」op4から2曲入選。そして「四季」を含むop8「創意とインヴェンションの試み」を華麗にスルーしてop7という渋いチョイス。
op3は1711年,op4は1713年、op7は1716年という具合に出版年が少しずつずれているが、出版社は全てアムステルダムのロジェ社だ。オランダ留学中の接触はとても自然だ。当時流行の最先端だったイタリアンコンチェルトの第一人者ヴィヴァルディが新機軸特盛で次々と出版した時期は、バッハのワイマール時代と驚くほど符合している。ワイマール時代の終焉を1719年に迎えたとき、ヴィヴァルディの作品は四季を含むop8まで終わっていた。
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