ぬんこむ
オルガン曲アルバムのタイトルだ。これだけでわくわくする。クリスマス用コラールとして名高い「Nun komm der Heiden Heiland」(来たれ異邦人の救い主よ)をベースにした古今の作曲家たちのオルガンコラール集である。
冒頭には賛美歌集収載の同コラールの4声体がオルガン演奏される。これに36種類が続く。「Nun komm der heiden Heiland」の主題による変奏曲を以下の作曲家たちが分担しているかのよう。
- Jan Pieterszoon Sweelinck(1562-1621)
- Dietrich Buxtehude(1637-1707)
- Andreas Kneller(1649-1724)
- Johan Pachelbel(1653-1706)
- Friedrich Wilhelm Zachow(1663-1712)
- Nicolaus Bruns(1665-1697)
- Johan Heinrich Buttstedt(1666-1727)
- Andereas Nocolaus Vetter(1666-1734)
- Georg Friedrich Kauffmann(1679-1735)
- Johan Gottfried Walther(1684-1748)
- Johan Sebastian Bach(1685-1750)
- Gotfried August Holmilius(1714-1785)
- Max Reger(1873-1916)
- Marcel Dupre(1886-1971)
- Hugo Distler(1908-1942)
- Anton Heiler(1923-1979)
この16名の作品36曲が並ぶ。収録は作曲家の生年順が決然と遵守される。バッハが11番目に過ぎない。オランダの歴史的名器2台による丁寧な演奏で聴ける。コラール研究という切り口にとどまらず、オルガン音楽の歴史まで意図されている。おそるべし。
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