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2021年3月27日 (土)

ストラダール

August Stradal(1860-1930)は、チェコの作曲家ピアニストだ。ウィーン音楽院で1884年まで学んだ後、ワイマールにわたってリスト門下になった。年代から見てブラームスとウィーンで面識があった可能性がある。リストの高弟として有名で、のちに回想録まで書いている。さらに付け加えるなら他の作曲家の作品をピアノ用に編曲している。バッハ作品は100曲もある。

彼の手によるバッハ作曲「ブランデンブルク協奏曲」のピアノ版のCDを入手した。しかもそれは自動演奏のピアノつまり「MIDI」だ。

いやはや楽しい。記事「無伴奏チェンバロ協奏曲」で書いた通り、イタリアバロックの象徴であるコンチェルトをチェンバロ独奏に転写したバッハに興味をもっているから、すんなりはまる。ブランデンブルク協奏曲が、独奏楽器を取り囲む総奏もろともピアノに転写されてれているというコンセプトはBWV971に始まる「無伴奏チェンバロ協奏曲」と通じるものがある。

2枚組のディスク2冒頭に置かれた6番には驚いた。原曲は2本の独奏ヴィオラをガンバが支えるという古風なスタイルが売り。ストラダールはオクターブあげているから、始まってすぐ面食らう。気の利いたカフェで流れていても気づかないだろう。2本のヴィオラによる掛け合いが醍醐味なのだが、そうしたテイストは薄まる。

 

 

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