sempre molto forte
ヴィヴァルディの「四季」から「春」の第二楽章の冒頭のヴィオラパートに「si deve suonare sempre forte,e strappate」と出てくる。「常に強く、他のパートから際立って」と解される。犬の吠える様子を描写するヴィオラへの指示だ。
この楽章、チェロバスは全休だ。総奏側のヴァイオリンは、付点を伴う音型で木の葉のささやき、独奏ヴァイオリンは眠る山羊飼を描写する。この両者にダイナミクスの指示はない中、ヴィオラにだけ「常に強く云々」と求めているということだ。つまりは「犬になれ」という強烈なメッセージである。「四季」全体の中でも異彩を放つ構成にヴィヴァルディの面目躍如たるものがある。
ヴィオラが目立つという点で「四季」随一の場所。独奏を受け持つヴァイオリニストの名前は必ずCDの説明書に明記されているのだが、ここのヴィオラを誰が弾いているかについてはあいまいなケースも目立つ。合奏に参加するヴィオラ奏者すべてが弾くことは間違いない。
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