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2021年4月30日 (金)

ハウプト不在

「ドリアントッカータ」の異名をとるBWV538のお話だ。ドーヴァー版の楽譜には奇妙な表示群が存在する。たとえば以下の通り。

20190310_201832
「Oberwerk」「Positiv」と読める。3段楽譜の上段と中段に頻発する感じだ。つまりこれはオルガンの鍵盤指定である。「Oberwerk」と記されていたら、そこからオーバーヴェルクの鍵盤で弾きなさいという意味だ。本作は冒頭からずっとこの調子で「Oberwerk」「Positiv」の表示が交代で出現する。文字通りなら主鍵盤であるハウプトヴェルクを使う暇はない。

念のためブライトコップフの新版を確認したが初回以降は「O」「P」と略記されているものの同様の状態だ。

こんなことになっているのはBWV538だけである。これがバッハ本人の意思なのか、バッハの演奏を聴いていた人の書き込みが記譜されるに至ったのか、気になる。

2021年4月29日 (木)

四段鍵盤実例

  ライプチヒのニコライ教会の大オルガンの鍵盤の写真を実は現地で撮影していた。数えると4段ある。

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このオルガンの演奏を生で聴けた。開演前に何気なく撮った一枚。

 

 

2021年4月28日 (水)

四段鍵盤

北ドイツで隆盛を誇った大オルガンとは、複数のオルガンの集合体と目される。演奏者はコンソールと呼ばれる演奏台に座ったまま、手元の鍵盤を弾き分けることで複数のオルガンを操作できるという寸法だ。鍵盤の数は足鍵盤を除いて概ね2~4だ。

各々の鍵盤はそれぞれ別のパイプ群を操作し、パイプの位置や機能によって、およそ以下のように命名されている。

  1. ハウプトヴェルク 主鍵盤と訳され、奏者頭上のパイプが鳴る。
  2. オーバーヴェルク 文字通りハウプトヴェルクのさらに上にパイプが据えられる。
  3. リュックポジティヴ 演奏者の背後。これにより聴衆から演奏者が隠れる。
  4. ブルストヴェルク ハウプトヴェルクの下、奏者の胸の位置にパイプが置かれる。

三段の時は、これらのうち大抵ブルストヴェルクかオーバーヴェルクが省かれる。18世紀後半以降リュックポジティブを欠くオルガンが建造されるようになる。もちろんこのほかに足鍵盤が装備されており、奏者両翼にパイプが屹立する。

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概ねこんな感じか。

いやはや今となっては懐かしい、ハンブルク・ヤコビ教会シュニットガー制作の大オルガンは四段鍵盤らしいのだが、同地を訪れたときに演奏台の写真が撮れていない。

 

 

 

 

 

2021年4月27日 (火)

ニーノロータ

20世紀イタリアの作曲家だ。映画音楽の分野ではかなりな有名人。「ゴッドファーザー」「太陽がいっぱい」など名旋律が多い。中学校時代私も大好きだった。このほどふとした弾みで思い出した。「スターウォーズ」のオルガン版が欲しくて購入したCDに、ニーノロータ作曲の「オルガンのためのソナタ」が収録されていた。

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いやいや楽しいCDだ。冒頭はひとまずバッハだ。「トッカータとフーガニ短調BWV565」が枕替わりである。ダースベイダーのマーチは、オルガンで弾かれると説得力がある。それに加えてニーノロータとは恐れ入る。

 

 

 

 

2021年4月26日 (月)

ヴェネツィア気質

「水の都」として名高いヴェネツィアは世界屈指の観光地。ヴィヴァルディの生地でもある。港町であり商都でもある他、欧州音楽の中心地でもあった。音楽にとどまらぬ芸術の街である。一方ローマ教皇と対立するなど独特の気質があった。信仰よりも自由な気風を重んじる傾向まであった。商売優先と申してもいいくらいだという。

ヴィヴァルディの生まれた頃、経済的政治的には斜陽であったが、文化は爛熟の域にあった。このうちの音楽をヴィヴァルディが担って行く構図になっている。

2021年4月25日 (日)

聖マルコの日

本日4月25日は聖マルコの日だそうだ。キリスト教は一神教なのだが、その代わりに願い事の業務分担があると見えて、何かにつけて守護聖人がついてまわる。聖マルコもそうした聖人の一人で、ペテロの命でアレクサンドリアに出向いて布教しその地で没した。

828年イスラム教徒の支配下となっていたアレクサンドリアから、ヴェネチアの商人がマルコの遺骸を持ち帰った。異教徒の手から取り戻しということだ。その遺骸を祭る教会こそが、世に名高いサンマルコ寺院である。だから聖マルコは、ヴェネチアの守護聖人になっている。4月25日ヴェネチア人たちは特別なお菓子「マルコのパン」を食べるという。ドイツ・リューベック市の名物である「マジパン」の起源である。

ヴィヴァルディの父親は、聖マルコ寺院のヴァイオリン弾きだった。

 

 

 

 

2021年4月24日 (土)

ヴァルヒャマジック

ヴァルヒャさん自慢のバッハ新旧オルガン作品全集を買い求めたころの話しだ。

BWV525から始まるオルガンのためのトリオソナタは、「両手と足によるトリオ」という秀逸なアイデアほどには親しめていなかった。もっと言うと当時所有していたCDを聴いて腰が引けていた。むしろオーボエとヴィオラとのからみが美しいホリガー盤を愛聴していた。ところがヴァルヒャさんの新盤が我が家に来て何気なく聞いたら。絶品だった。オルガンの音色が可憐で多彩だった。

モノラルながらディスク1に6曲のトリオソナタがすべて収録されている旧盤の収録の仕方がありがたい。新盤や別演奏家のものは、収録がほぼランダムで、トリオソナタ全6曲を通して聴くには手間がかかった。そういう使い勝手は地味に大きい。

 

 

 

 

2021年4月23日 (金)

ホリガーさんの妙技

ハインツホリガーさんは、私がクラシック音楽に目覚めたころ、すでにオーボエの巨匠だった。しょっちゅう飛ぶ鳥が落ちていた。最近のお気に入りは断然バッハ。とくにオルガンのためのトリオソナタ全6曲を、室内楽版で録音してくれている。

  • BWV525 オーボエ、チェンバロ、チェロ
  • BWV526 オーボエ、ヴィオラ、通奏低音
  • BWV527 オーボエ、チェンバロ、チェロ
  • BWV528 オーボエダモーレ、ヴィオラ、通奏低音
  • BWV529 オーボエ、通奏低音
  • BWV530 オーボエ、ヴィオラ、通奏低音

室内楽への編曲はあまた存在するが、オリジナルの調性が保存されているのは珍しい。BWV529は、チェンバロの両手とオーボエでトリオを形成する意欲作だ。偶数番ではヴィオラが登場するのが本当にうれしい。とくにBWV526ハ短調の第二楽章には心洗われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021年4月22日 (木)

チェックポイント

オルガンのためのトリオソナタ変ホ長調BWV526のお話。とりわけ第二楽章だ。全トリオソナタ6曲中で、もっとも好きな場所だ。

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この世の物とも思えぬ繊細なアルペジオ。新しいCDを入手したとき、まずはこのラルゴを聴く。ここが気に入ると大抵安心できる。だからチェックポイントだ。

2021年4月21日 (水)

トリオソナタコレクション

オルガンのためのトリオソナタが気に入っている。BWV525からBWV530までの下記6曲。

  1. BWV525 変ホ長調
  2. BWV526 ハ短調
  3. BWV527 ニ短調
  4. BWV528 ホ短調
  5. BWV529 ハ長調
  6. BWV530 ト長調

本来オルガンの独奏曲だが、古来さまざまな形態に編曲されてきた。気になる編成があるとついほしくなるせいで、いくつかたまっている。

  1. MarieClairAlain org 2度目の録音
  2. MarieClairAlain org 3度目の録音
  3. Heinz Horiger
  4. Helmut Walcha org 1度目の録音
  5. Helmut Walcha  org 2度目の録音
  6. Purcel quartetto ヴァイオリン2、ガンバ、チェンバロのかぐわしい四重奏。
  7. Tempesta di mare chember players
  8. Werner Jakob org

 

 

 

2021年4月20日 (火)

両手と足のためのトリオソナタ

なんという発想だろう。オルガンに足鍵盤があるという一点から広がる着想。右手と左手に加えて足を使うというオルガンの特徴を生かし切るとはこういうことだ。バロック時代の室内楽の代表格であるトリオソナタは通常4名の奏者を必要とするのだが、これらを一人のオルガン奏者で達成してしまおうという魂胆だ。これに匹敵するのは、「両手とハミング」のグールドくらいか。

  1. BWV525 変ホ長調
  2. BWV526 ハ短調
  3. BWV527 ニ短調
  4. BWV528 ホ短調
  5. BWV529 ハ長調
  6. BWV530 ト長調

とりわけ楽譜を見ながら聴くと楽しみが倍増するのだが、オルガニストの苦労も透けて見える。ホリガーさんによる室内楽版を聴くと室内楽としての完成度も相当な域にあるとわかるけれど、これを一人でという難しさはまた別格だ。音楽的人格がすべて試される感じ。無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌにも匹敵してはいまいか。

 

 

 

 

2021年4月19日 (月)

トリオの人数

ブラームスの時代、「トリオ」と言えば「三重奏」だ。ピアノ、ヴァイオリン、チェロのピアノトリオが代表格である。しかしバロック時代となるとそうはいかない。バロック時代に好まれたのはトリオソナタなのだが、編成には必ずしも決定版がない。それどころか演奏者の数も「3」とは決まっていない。「トリオ」は「3つの楽器」「3人の奏者」を意味しておらず「3つの声部」の意味だ。

「旋律楽器2つと通奏低音」の意味である。「通奏低音」に複数の奏者が据えられることもあるおかげで、「3人」にならないケースが多い。一般の傾向としてトリオでいながら4人以上が志向される。

バッハのオルガン作品にもトリオソナタがある。BWV525からBWV530までの6作は、オルガニスト一人による「トリオ」だ。右手と左手と足で「3つの声部」をまかなう。あるいはBWV1014を筆頭とするヴァイオリンソナタはチェンバロの両手とヴァイオリンの3声になるなど奏者は2人となる。

なるほど空気を読んだグールドさんはピアノの両手とハミングのトリオを志向した。

2021年4月18日 (日)

ピカルディという習慣

ピカルディ終止の採用不採用がランダムで、その基準がさっぱり推測できないのをいいことに毎度毎度の妄想がある。

ピカルディ終止は短調作品のエンディングにおける常識だったのではあるまいか。「短調=ピカルディ終止」ではなかったか。作曲家と演奏家の分離が進む前、作品の出版が前提となる以前、短調作品は終止和音の第3音を半音上げるという記譜がなくても、習慣として同主長調への読み替えが行われていたのではないか。

作曲と演奏の分業が進み、作品を紙へダウンロードする習慣が広く普及するのと並行して、「楽譜通り」が何かと珍重されるようになった結果、習慣であったピカルディを記譜するようになったなどどということはあるまいか。

通奏低音が単音と数字だけを見て、他の音を即興で補うことが当たり前だったのを、19世紀以降、あらかじめ校訂者が楽譜に落としておくようになったリアライゼーションと同根とは考えられまいか。

記譜上明記されたピカルディ終止を無視して短調のまま終えることは、慎まねばならぬ一方で、記譜上ピカルディになっていない短調作品を演奏家独断でピカルディ終止に導くことには酌量の余地を認めたい。

 

 

 

 

2021年4月17日 (土)

パッヘルベルのピカルディ

ブクステフーデのオルガン自由曲、短調の作品全てがピカルディ終止を採用していると驚いた。しからばパッヘルベルはと話を広げる。

我が家のドーヴァー版のパッヘルベルオルガン作品全集収載のオルガン自由曲45作品のうち、短調の作品は18曲ある。

このうち17曲がピカルディ終止だった。わずかにニ短調のフーガだけが短調のまま終止する。悩ましい結果だ。このニ短調の解釈をどないするか。

さりとてブクステフーデ、パッヘルベルというバッハの先輩が、ピカルディ終止ほぼ100%の採用だということだ。

2021年4月16日 (金)

ブクステフーデのピカルディ

バッハのオルガン自由曲についてピカルディ終止の採用状況を考察したのだから、それをブクステフーデに展開する。

BuxWV136からBuxWV176まで、42曲のうち、断片のBuxWV154とフリギア調を採用するBuxWV152を除外し、長調の作品22曲を控除した18曲の短調作品が母数となる。

ああ。

おどろくべき結果となった。

ブクステフーデの短調のオルガン自由曲は全てピカルディ終止を採用していた。わずかながら短調のまま終わる作品もあったバッハと違い、一つの例外もなくピカルディ終止だった。

2021年4月15日 (木)

バッハのピカルディ

しからば 、バッハのオルガン自由曲の中にピカルディ終止を用いた作品がどれだけあるのだろうか。

BWV525からBWV591まで67曲をベースに考える。この中から断片が伝承されるBWV573を除く66曲をひとまず意識する。この時点で長短比率がピタリ50%ずつになることに軽く驚かされる。短調作品33曲の中から最新の研究によりバッハ作でないものを控除する。すなわちBWV554、555、558、559の4曲をのぞいた29曲となる。

この中には我が家に楽譜がない作品もあるにはあるが、幸いピカルディ終止かどうかは聴けばわかるのでカウントは容易い。

結論を申せば18曲がピカルディ終止だ。54.4%に相当する。

2021年4月14日 (水)

ピカルディ終止

バロック音楽によくある終止形。

詳しい定義は知らぬが、おおむね短調の作品が最後の和音で、同主長調に転じて終わることだ。曲の途中に同主長調に転調するのとは区別されているらしい。第一交響曲のフィナーレはハ短調で始まってハ長調で終わってはいるが、「ピカルディ終止」ではないという。

さてさて、ブラームスにはオルガンのための「前奏曲とフーガ」が2つ伝えられている。イ短調とト短調だ。このうちのイ短調ではピカルディ終止は採用されていないけれど、ト短調の方は、前段の前奏曲も後段のフーガも、どちらもピカルディ終止になっている。

バロックっぽい感じが出る。

 

 

2021年4月13日 (火)

サラダ尽くし

ブランデンブルク協奏曲第6番のフィナーレ第三楽章の話。学生時代にレッスンの集大成としてヴィオラの先生と取り組んだ。21小節目、ヴィオラ2本のソロが掛け合いを始める場面。掛け合いの入りが遅れない呪文として先生が教えてくれた。

「ポテトサラダ」「タマゴサラダ」「トマトサラダ」だ。これでサラダ尽くし。「歌ってごらん」と言われたものだ。「歌えなければ弾けないよ」と。効果は劇的だ。

各サラダのうち、「サ」にアクセントが来るというのも理にかなっている。もちろんヴァリエーションはある。「野菜サラダ」「ゴボウサラダ」でもいいのだが「ツナサラダ」「ハムサラダ」「シーザーサラダ」は使えない。素材3文字のサラダでないと具合が悪い。

 

 

2021年4月12日 (月)

ヴィオラ弾きのバッハ

バロック音楽におけるヴィオラの微妙な出番について言及したばかりだ。バッハ本人がオルガンやチェンバロの達者な弾き手であったほか、弦楽器ではヴィオラの演奏を好んだと証言されている。ブラームスのようなあからさまなヴィオララヴの表出は控えられているが、自分で弾くのは諦めて、上手な人のCDを楽しむに徹すれば退屈しない。以下気に入っている順に列挙する。

  1. ブランデンブルク協奏曲第6番BWV1051 まあなんといっても筆頭だ。
  2. インヴェンションの弦楽二重奏版 
  3. トリオソナタ 原曲はオルガン オーボエ、ヴィオラ、通奏低音で
  4. ガンバソナタのヴィオラ編曲 全3曲どれもいい。
  5. 無伴奏チェロ組曲のヴィオラ編曲 オリジナルのオクターブ上を弾く感じ。
  6. ゴールドベルク変奏曲弦楽三重奏版 超絶技巧
  7. シンフォニアの弦楽三重奏版
  8. 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータBWV1004 ヴィオラ版 5度下に移調

この中では1,2,3が特に気に入っている。1番はジョルディサヴァール版。ファビオビオンディがヴィオラを弾くというマニア狂喜の1枚。2番はジャニーヌヤンセンとその仲間たち。3番は、ハインツホリガー版。6曲のうち2番ハ短調、4番ホ短調、6番ト長調にヴィオラの出番がある。

2021年4月11日 (日)

バッハ記事500本

昨日の記事をもってカテゴリー「301 バッハ」に属する記事が500本に到達した。ブラームスを主人公に据えながら今日まで5843本の記事を積み上げて、とうとうバッハ記事が500に達した。10%に少々足りないくらいだ。2033年5月7日のゴールまでに1000本に届くようなら、記事の確保はとても容易になるはずだ。

なんせ話の脱線が多いせいで、ブラームスネタはその10倍とはまいらぬが、7~8倍はあると思われる。辞書らしい厚みになってきた。簡単には真似られぬ本数だろう。これもオリジナリティのうちだ。

2021年4月10日 (土)

ヴィオラの出番

嬉しいことにバロック時代においてもヴィオラには一定の出番が保証されている。コンチェルトやシンフォニアには顔を出すと考えていい。その割には、コンチェルトの独奏楽器として指定されるのはとても珍しい。さらにバロック時代の室内楽の柱であるトリオソナタとなると、位置づけが微妙になる。

トリオソナタは、ソプラノ音域の旋律楽器2つと、通奏低音だ。旋律楽器は、ヴァイオリンを筆頭にフルート、オーボエ、リコーダーあたりが多い。作曲者自身の指定を無視して演奏側の事情で適宜差し替えられることも多い。が、ソプラノ音域ということでここにヴィオラが参入することはほぼない。

一方の通奏低音側は、チェンバロ、オルガン、テオルボ、ガンバ、ファゴット、チェロ、コントラバスあたりが入れ替わり立ち代わり参画する。ここでもヴィオラは顧慮されない。

コンチェルトの総奏側やシンフォニアの中でじっと職責を全うするというのが平均的な姿になっている。

2021年4月 9日 (金)

昭和の香り

大好きなシモンゴールドベルクさんのお話だ。

ブランデンブルク協奏曲も録音していた。ヴァイオリン協奏曲は1975年66歳の録音であるのに対して、こちらは1958年。49歳だ。6番でヴィオラを弾いてくれている話はすでにしておいた。興味深い演奏が多い。突っ込みどころ満載ともいえる。

そりゃあそうで、私の生まれる1年前の録音だ。古楽器での演奏が台頭する前のスタイル。ステレオ録音なのが不思議な感じ。ブランデンブルク協奏曲のステレオ録音としては最古の部類ではあるまいか。

大見得を切るようなクレッシェンドも珍しくないし、ほんのりポルタメントテイストの音の処理も散見される。ソロを取り囲む総奏群の分厚い響き。荘厳という形容がふさわしいバックに支えられたソロたち。

古楽器演奏が一般化し、もはや芸術的実験の段階をとうに過ぎた現代の演奏に慣れた耳には、なじまぬ風情ながら、ちっとも下品ではなく、私のようなオールドファンには懐かしささえ感じられる。4番がリコーダーではなくフルートだったり、6番冒頭のはっとするほどの遅い入り。それでいて直後にテンポをつめるという小細工。フルトヴェングラーのブラ1の冒頭が思い出す。そういえば彼はフルトヴェングラーのもとでコンマスだった。

 

 

 

2021年4月 8日 (木)

一人6役今昔

ブランデンブルク協奏曲の全6曲にソリストとして参加するなら、ヴァイオリニストが近道だ。腕に覚えのヴァイオリニストが、6番でヴィオラを弾けばいい。

最近気に入っているビオンディが若いころ録音しているとはしゃいだが、実は私が初めてバッハのヴァイオリン協奏曲のレコードを買い求めたシモンゴールドベルクも一人6役をこなしていた。

この人、ヴィオラも素晴らしい。

2021年4月 7日 (水)

シモンゴールドベルク

シモンゴールドベルクはポーランドのヴァイオリニスト。1909年6月1日生まれ。二十歳でベルリンフィルのコンサートマスターに就任した。当時の指揮者はフルトヴェングラーだ。ナチスの台頭とともにベルリンを追われて米国に逃れる。第二次大戦中は慰問先のジャワで日本軍に抑留されたこともある。

彼の活躍ぶりの紹介は私の手には余る。モーツアルト愛好家の間では伝説にもなっていると聞く。しかし私はバッハだ。正確にいつだったか思い出せないが、バッハのヴァイオリン協奏曲のレコードを初めて買い求めたのが、ほかでもないゴールドベルクの演奏だった。バックはオランダ室内管弦楽団。シャコンヌはシェリングだったがコンチェルトは断固ゴールドベルクである。

若いころ何種類もレコードが買えないからずっと聴き続けていた。気に入っているいないではなく刷り込みに近い。他の演奏を聴いても心のどこかにゴールドベルクが鳴っている。

我が家にCDプレーヤーがやってきてレコードが次々とCDに置き換えられていき、今では同じ演奏をCDで聴いている。

2021年4月 6日 (火)

同期アンサンブル

大学3年になる2月だったかと記憶している。大学オケの同期でアンサンブルをすることになった。このときの演目がブランデブルク協奏曲第5番だった。同期の仲間のチェリストが実は達者なピアニストで、名高いチェンバロ独奏を弾きこなしてしまうほどの腕前だった。

ヴィオラを初心者で始めた私だったが頼まれて演奏に参加した。

これが初めてのバッハ演奏体験だったはずだ。

 

 

2021年4月 5日 (月)

BWV1057

「2本のリコーダーとチェンバロのための協奏曲ト長調」だ。1052番以降、チェンバロ協奏曲が続く一角を構成する。バッハが自作をチェンバロ独奏とする協奏曲に編曲している。原曲の独奏楽器が何だったのかわからなくなっている作品も多い中、このBWV1057は原曲が明らかだ。

ブランデンブルク協奏曲第4番BWV1049が原曲だ。オリジナルの独奏楽器は「2本のリコーダーとヴァイオリン」である。う~んと平たく申せばヴァイオリンをチェンバロに差し替えたということになる。

ブランデンブルク協奏曲の4番を収録したCDは綺羅星のごとく存在するがこちらBWV1057は希少価値がある。ヴァイオリンのパッセージをチェンバロ独奏に転写した様子がよくわかる。

2021年4月 4日 (日)

キリスト甦る

オリジナルタイトルは「Christ ist erstanden」という。BWV627と746に反映している。残念ながら4人のうちバッハだけが取り上げている。

何を隠そう最古のドイツ語賛美歌だ。12世紀のグレゴリオ聖歌の楽譜がウィーンやザルツブルクに現存する。旋律の起源はもっとさかのぼる可能性があるものの楽譜という物的証拠の年代をもってさえ最古と断言できる。

復活祭の朝の司式では、カトリックにあっても例外的に会衆が歌うことが認められていた。その例外を形成する歌こそが本日話題の「キリスト甦る」だ。だから宗教改革1517年よりも極端にさかのぼる起源をもっている。

今年のイースターは今日だ。ブランデンブルク協奏曲特集に割り込む言及。

 

 

2021年4月 3日 (土)

スイングルシンガーズ

中古ショップを徘徊中に驚くべきCDを入手。バッハとモーツアルトの有名どころの小品がアカペラの声楽アンサンブルで収録されている。Swingle Singersというのが演奏者の名前だ。元々フランスで結成されたらしいが今は英国で活動する声楽8重唱団。ソプラノ、アルト、テノール、バス各2人で構成される。バッハが21曲モーツアルトが18曲の2枚組みが700円だった。

ブランデンブルク協奏曲第3番の第一楽章がおすすめ。

これをブラームスでやってはもらえまいか。

2021年4月 2日 (金)

ジョージハリスン

ご存知ビートルズのメンバー。名高いギタリストである。

彼にはバッハへの言及があるときく。「ペニーレーン」のオブリガートに現れるトランペットは、「ブランデンブルク協奏曲第2番に出現するトランペットのハイノートが着想の元だった」と言ったらしい。大変に興味深いエピソード。ジョージがブランデンブルク協奏曲第2番を知っていた証拠だ。おそらく他のメンバーも知っていたに違いない。
そういえば「インマイライフ」の間奏に現れるチェンバロも何やらバッハテイストだ。

 

 

2021年4月 1日 (木)

Unser Brahms

我が家に宝物が一つ増えた。ご覧の通りに若きブラームスをあしらった華麗なポスターだ。

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ブラームスがしばしば訪れた避暑地バーデンバーデンのブラームス協会が創立40周年を記念して2007年4月19日から22日まで記念イベントを開くというものだ。25のステージからなる催しの名前が「Unser Brahms」という。「我らのブラームス」というそそられるタイトルだ。

大切な知人が訳あってこれを手放さざるを得なくなって、捨てるに捨てられずに私に譲ってくれたものだ。どうにかして私に譲りたいと思い詰めての決心だと聞いている。私的にストライクゾーンの中央を深々とえぐる逸品であるばかりか、これまでこのポスターが飾られていた場所も万感胸に迫るものだ。

その知人の名前や従来飾られていた場所、そしてこのたびの事情など、ブログでは公開を控えるが、関係者が見れば多くを語る必要はあるまい。4月につきものの出会いと別れとだけ申し上げておく。ただただ深い感謝、いつでも私は彼とともにある。

恩人にブラームスのご加護を特盛で。

 

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