四段鍵盤
北ドイツで隆盛を誇った大オルガンとは、複数のオルガンの集合体と目される。演奏者はコンソールと呼ばれる演奏台に座ったまま、手元の鍵盤を弾き分けることで複数のオルガンを操作できるという寸法だ。鍵盤の数は足鍵盤を除いて概ね2~4だ。
各々の鍵盤はそれぞれ別のパイプ群を操作し、パイプの位置や機能によって、およそ以下のように命名されている。
- ハウプトヴェルク 主鍵盤と訳され、奏者頭上のパイプが鳴る。
- オーバーヴェルク 文字通りハウプトヴェルクのさらに上にパイプが据えられる。
- リュックポジティヴ 演奏者の背後。これにより聴衆から演奏者が隠れる。
- ブルストヴェルク ハウプトヴェルクの下、奏者の胸の位置にパイプが置かれる。
三段の時は、これらのうち大抵ブルストヴェルクかオーバーヴェルクが省かれる。18世紀後半以降リュックポジティブを欠くオルガンが建造されるようになる。もちろんこのほかに足鍵盤が装備されており、奏者両翼にパイプが屹立する。
概ねこんな感じか。
いやはや今となっては懐かしい、ハンブルク・ヤコビ教会シュニットガー制作の大オルガンは四段鍵盤らしいのだが、同地を訪れたときに演奏台の写真が撮れていない。
コメント