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2021年5月11日 (火)

調号と鳴りのズレ

楽譜各段左端のシャープやフラットによって規定される調がある。シャープもフラットも無ければハ長調かイ短調だし、シャープ1個ならト長調かホ短調という具合だ。これら調性は個体識別のためにしばしば作品名に付与される。「ハ短調交響曲」というだけでブラ1とわかる。

作品冒頭では調号によって規定された調が鳴るのが基本なのだが、例外もある。歌曲「エーオルスのハープに寄せて」op19-5は、フラット4個を背負う変イ長調の装いながら、冒頭いきなり第三音にフラットが寄り添うことで変イ短調が鳴る。冒頭いきなり通称として付与された調が鳴らないという現象だ。

他にも思い当たる。

  1. 弦楽六重奏曲第2番第4楽章 調号シャープ1個ながらイ短調っぽい。
  2. 交響曲第4番第4楽章 同上
  3. 弦楽五重奏曲第1番第2楽章 調号シャープ4個ながら嬰ハ長調っぽい。

さすがにバッハの「平均律クラヴィーア曲集」ではこうしたことは起きていない。調性の網羅が狙いなのでややこしいことは避けているのだろう。

ブラームスにおいてはむしろ醍醐味。

 

 

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