オルガン任意
ドイツレクイエムの編成のお話。ドイツレクイエムの演奏に参加する楽器で、オルガンは任意とされている。「おってもおらんでもよろしい」ということらしい。
周知の通り、同作品はレクイエムの文言こそタイトルに踊っているものの、ルターの独訳聖書からテキストを採用しており、典礼のための音楽とはせずに、あくまでも音楽会での演奏が前提とされている。だからオルガンの参加を必須としていないのかとも思う。op55の「勝利の歌」もまたオルガン任意だ。作品番号が近い合唱作品op53「アルトラプソディ」やop54「運命の歌」は、オルガン不参加である。
バロック特集や、旅行の影響で、私の脳内のオルガンの位置づけが変わった。オルガンへの深い共感は、バッハの聴き方の幅が広がったばかりか、プロテスタントの信仰、教会の知識を増加させた。ひいてはドイツバロック音楽を聴く上での姿勢に決定的な違いを生じさせた。そうした脳みそでドイツレクイエムを聴くことで思ってもみなかった視点が新たに加わった。
やけに「オルガン任意」が気になる。是非入れてほしい。我が家所有のCDの中でオルガンが参加しているのはジュリーニ指揮のウィーンフィルだけだ。ところが、このムジークフェラインのライヴ録音ではあまりオルガンが聞き取れない。オルガンが聞き取れないことがストレスにさえなる。
一方、ピアノ連弾版や2台のピアノ版のCDがあることを思うと、いっそ独奏オルガン版がほしくなる。
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