D945
昨日の記事「D946」で思い出した。その一つ前の「D945」の一件だ。音楽之友社刊行のブラームス回想録集第2巻96ページ。ホイベルガーの証言。
ブライトコップフ最新刊のシューベルトがブラームスと話題になった。それまで知られていなかった歌曲数曲について、刊行の裏話をブラームスが披露したようだ。これによれば、ブラームスがあるアメリカ人の訪問を受け、持参した楽譜帳に意見を求められた。この系統の話は大抵眉唾なのだが、今回ばかりは違って必死に写譜したと言っている。1828年レルシュターブのテキストにシューベルトが付曲したものの、ノッテボームが紛失作品扱いしていた貴重な作品だということだ。シューベルト協会のマンディチェフスキーに言いつけブライトコップフから出版にこぎつけたと。これが「秋めいて冷たい風が吹く」D945だというのだ。1893年3月28日の出来事。
昨日のD946よりさらに25年遅れての出版ということだ。
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