漁師の系譜
ブログ「ブラームスの辞書」上でシューベルトの歌曲を辿る旅を続けている。案内人は歌手のディートリッヒ・フィッシャーディースカウ先生だ。お名前の中ほどに「フィッシャー」とある。ドイツ語では「Fischer」と綴るのだが、これが「漁師」の意味である。末尾の「ディースカウ」にも注目だ。語尾「au」は水辺を意味する地名語尾にもなっている。「漁師」と「水辺」は縁語みたいなものでおさまりがいい。
さてその「漁師」だが、シューベルト歌曲作品を眺めているとたびたびお目にかかる。D番号順に列挙するとおよそ以下の通りとなる。テキストの供給者名も添えておく。
- D225 漁師/ゲーテ
- D351 漁師の歌/ザリス・ゼーヴィス
- D561 漁夫の歌/ザリス・ゼーヴィス
- D881 漁師の歌/シュレヒタ
- D933 漁師の愛の幸せ/ライトナー
タイトルに「Fischer」が存在する作品だけでこのありさまだ。何故このようなことを申すかといえば、ブラームスには1曲もないからだ。ブラームス歌曲にはタイトルに「Fischer」が出現しない。そういうテキストを選ばないとうことだ。作品総数に3倍の差があるけれど押さえておきたい。
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