ブラームス神社

  • 道中安全祈願

おみくじ

  • テンプレート改訂しました

独逸日記

  • ドイツ鉄道博物館のおみやげ
    2012年3月28日から4月4日まで、次女の高校オケのドイツ公演を長男と追いかけた珍道中の記録。厳選写真で振り返る。

ビアライゼ

  • Schlenkerla
    自分で買い求めて賞味したビールの写真。ドイツとオーストリアの製品だけを厳選して掲載する。

カテゴリー

« 美しき水車小屋の娘 | トップページ | ドイツ職人紀行 »

2021年7月21日 (水)

ウィルヘルムミューラー

三大歌曲集のうちシューベルト本人が正式に関与しているのが「美しき水車小屋の娘」と「冬の旅」だと書いた。その両方にテキストを供給したのがウィルヘルム・ミューラーその人だ。1794年デッサウに靴屋の親方の息子として生まれベルリンに学んだ。作品の一部が学生歌になっている他は、あまり接する機会がないとフィッシャーディースカウ先生が嘆いておられる。

がしかしシューベルトの2つの歌曲集によってその名前は永遠に記憶されることは確実だ。

まずは「美しき水車小屋の娘」から。そもそも靴屋の息子なのにミューラーなのはこれいかにだ。その彼が「水車」を題材にするのは何らかの必然を感じてしまう。シューベルトは、とある友人の家でこのテキストに接し、即刻作曲を試みる。冒頭と結尾の他いくつかを省略し、順序を手直しすることで、連続した演奏でひとつの物語になるように仕立てた。

徒弟制度が根底にあり、親方に許されて各地を修行して回る若者が主人公である。修行先の水車小屋の娘に惚れて、ということは師匠の娘を見初めたということになるのだが、強力なライバルの出現に自ら身を引くという筋立て。これを読んだ大衆には「よくあるよくある」という類の共感が生じ、そこにシューベルトの絶妙の付曲が強烈な相乗効果を生んだと解される。

「冬の旅」はそれほどの物語性はない。短調優越で全体のトーンが暗い色調で貫かれているのは、テキストの持つ雰囲気の忠実な反映だ。作曲は1827年だからシューベルトの没する前年であるばかりか、ミューラーの没した年になっている。生涯一度も会うことのなかった二人の「白鳥の歌」の座に近いのはむしろこっちだと感じる。

 

 

« 美しき水車小屋の娘 | トップページ | ドイツ職人紀行 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 美しき水車小屋の娘 | トップページ | ドイツ職人紀行 »

フォト

ブラームスの辞書写真集

  • Img_0012
    はじめての自費出版作品「ブラームスの辞書」の姿を公開します。 カバーも表紙もブラウン基調にしました。 A5判、上製本、400ページの厚みをご覧ください。
2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ