粉屋と狩人
昨日の記事「ドイツ職人紀行 」でシューベルトの「美しき水車小屋の娘」の中、粉屋の娘に恋をした主人公がやがて一人で立ち去るのは賢明だと書いてあった。いわく「どこの馬の骨かもわからぬ風来坊が街の名士の令嬢に近づけば袋叩きにあう」と。
同曲集の14番目「狩人」を聴けば、主人公の恋のライバルが狩人だったとわかる。ここでちいさな疑問。粉屋志望の若者が袋叩きに遭うのに狩人はそうならないのだろうか?
日本人にはわからぬ不文律が一つや二つありそうだ。「粉屋NGだが狩人はOK」みたいな。江戸時代の「士農工商」のような職業の序列があったのだうろうか。
ドイツ民謡の世界で「狩人」と言えば、ガールハントに忙しい若者の象徴だ。時に「鹿狩り」は、ナンパを意味する。か細くてつぶらな瞳の鹿は乙女を象徴するからだ。恋のライバルが狩人というだけで、なんだか手ごわそうだ。
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