微調整語の扱い
歌曲「死と乙女」D531に現れる「Massig」をめぐるフィッシャーディースカウ先生の論考 に我を忘れているのだが、その論考の直後にもっとすごい話題に移る。
先生は「Massig」の他に以下の用語を列挙する。
- Etwas(いくぶん)
- Nicht zu(~過ぎずに)
- Ziemlich(かなり)
これらは基本になる言葉に添えられて、解釈を難しくしていると指摘する。感情表現と技術上の問題をあらかじめ整理しておかないと正しいテンポにたどりつけないと。
そう。これらはイタリア語「poco」「piu」「non troppo」などとともに「ブラームスの辞書」が微調整語という名称を与えている語群に含まれる。何よりも何よりも、先生程の大歌手が、いや大歌手だからか、演奏に先立ってこうも細かく楽譜を検討するものだという実例を見せられて興奮を抑えきれない。歌曲限定でいいから「シューベルトの辞書」書いてくれればよかったのに。
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