伴奏は男か
フィッシャーディースカウ先生の著書で話題になった伴奏の大家ジェラルド・ムーア先生は男性だ。またディースカウ先生と組んで録音を残したピアニストの面々もみな男性だった。
どうも世の中のドイツリートのCDで伴奏を務めるのは男性ピアニストが多い気がする。何故だろう。室内楽の中のピアノパートには、山ほど女流ピアニストが出て来るし、ソリストだって同様だ。コンクールの入賞者あるいは音大のピアノ科の男女比を見れば女性優位ではないかとも思える。
ヘルムートドイチュ先生もご著書「伴奏の芸術」の中でこの点に疑問を提示しており、いくつか仮説も示しておられるが決定的ではない。ディースカウ先生は、この点については沈黙している。我が家のCDコレクションの中で女性が伴奏を務めるケースはたった1枚だ。店頭で歌曲のCDを選ぶとき、作曲家、演奏家をキーにする。伴奏者の性別は気にもしていない。それなのに結果として集まったCDに女性伴奏がほぼないのは、私のコレクションの偏向とは言えまい。録音でだけの現象なのだろうか。実際のリサイタルでは女性伴奏者も多いのだろうか。男性歌手も女性歌手も 伴奏者に男性を選ぶという現象が起きていると考えていいのだろうか。
世はなべて女子の時代だというのに不可解なことだ。
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