宰相退任
ドイツ連邦首相、アンジェラ・メルケルさんは明日9月26日に行われる連邦議会選挙に立候補せず、政界を引退するという。16年連邦首相の座にあった。「ドイツの母」「EUの女帝」との呼称が全然大げさではない存在感を放ってきた。移民に寛大な政策により時に逆風にもさらされたが、昨今各国の指導者が「自国第一主義」に走る中、自由主義陣営最後の砦の貫禄がついていた。一方で彼女の観戦するサッカードイツ代表戦の勝率は半端なく高かった。
さらにだ。コロナ禍に際しての国民への呼びかけは鬼気迫るものがあった。いつもは冷静な彼女が声を震わせて感染拡大防止を訴えた。移民政策で下降気味だった人気がまた回復したともいわれている。そりゃそうだ。ドイツ語のわからぬ私も彼女の演説に引き込まれた。表情、言葉のトーンだけで訴えるものがあった。字幕なんぞいらない。伝わるというのはこういうことかと。
我がブログ「ブラームスの辞書」にはカテゴリー「メルケル」を設定して敬意を表してきた。私の3度の渡独はみな彼女の在任中だった。辻褄も脈絡もないが、今心からお礼したい。
メルケルさんありがとう。
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