雷雨の後
源頼政は武士ながらひとかどの歌人。勅撰和歌集への採用も源実朝の93首を別格とすれば上位にランクする。小倉百人一首から漏れているのが不思議なくらい。代表作は下記。
庭の面はまだ乾かぬに夕立の空さりげなく澄める月かな
夕立の上がったあとの情景。聴くたびにこの歌を思い出す作品がシューベルトにある。
「雷雨の後」D561だ。オリジナルは「Nach einem Gewitter」という。
走り出すイントロのみずみずしさは、まさに雨上がり。無理矢理一言で申すならモーツアルトだ。K136のディヴェルチメント然とした立上がり。イントロ通りの旋律がやがて歌にも表れる。いやもうなんと申すか小粋。
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