十字軍
オリジナルは「Der Kreuzzug」D902という。「十字軍」は世界史の教科書では必須のあの話。11世紀末からかれこれ300年続いた聖地パレスチナ奪還運動ともっぱら位置付けられているから深入りはしない。
カルル・ゴットフリート・ライトナーによるテキストは出征する兵士たちを眺める僧侶のモノローグになっている。この世の旅つまり人生もまた聖地を求める旅路であると。冒頭いきなり「Ein Munich」(uはウムラウト)が現れてぎょっとする。ミュンヘンかと。これが名詞で僧侶の意味。都市のミュンヘンの語源にも関わるなどと言っていたが、どうしてどうして只者ではない。
シューベルトはここで「惚れ込み4原則 」を用いた。起伏の少ないダイナミクスとシンプルな伴奏がストイックなレガートの歌とマッチして美しい。
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