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2021年10月12日 (火)

旅は冬か

新型コロナウイルスの感染拡大前は、旅行は庶民のレジャーの筆頭格であった。 盆暮れの帰省まで含めれば経験したことがない人はむしろ少数派だろう。シューベルト三大歌曲集の2番目「冬の旅」は、そうした旅とは全く違う。誰かが冬に旅をする訳ではない。

もっともっとずっと観念的なもの。おおよそ以下の枠組みだ。

  1. 孤独な一人旅
  2. 主人公は男性
  3. ふるさとを持たない
  4. 希望の持てない

三大歌曲集1番目「美しき水車小屋の娘」は、ドイツで一般的な徒弟制度に伴う修行の旅でもあったし、歌曲集全体でストーリーが暗示されもしたが、「冬の旅」ではそうもいかない。農耕は基本的に定住が根底にある。放浪はその反対側の現象だ。定住が当たり前の中、なんらかの事情があるということだ。庶民の側にはそうした事情への同情、哀れみに加え、かすかな憧れも紛れていそうだ。そうした心情を盛り込んだ詩が数多く作られ、それが一定の評価を受けていた。現実の旅の記述である紀行文とは別次元の話だ。

日本の古典和歌における部立としての「旅」もまた「観念の旅」だ。古来確立済の「歌枕」という観念上の名所を現地に行かずに歌にする。屏風絵を見ながらということも含まれるが、現地には行っていない。とかく写実が好まれる現代短歌ではもっての他な現象だが、臆する気配もない。多くの歌人たちは京都から一歩も出たこともないまま観念上で旅をしていたということだ。今風に申せば「リモートの旅」だ。西行は例外である。

シューベルトに戻る。「冬の旅」はとっつきにくい。古来名作の誉れが高いから感動しないのはこちらの耳のせいかもと悩ましいが、先に述べたような裏の事情を察しながら聴かねばならない。「歌枕」がある分古典和歌のほうがまだイメージしやすい。

 

 

 

 

 

 

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