独訳シェークスピア
シェークスピアの「どくやく」とは紛らわしい。「毒薬」は、得てして「媚薬」とならんで話の展開に必須のツールだ。本日はドイツ語訳のことだ。昨日の記事「An Sylvia 」と並んでシェークスピア独訳ネタの代表に「聞け聞けひばり」D889がある。シェークスピアの戯曲「シンベリン」の劇中詩の独訳がテキストになっている。劇中のタイトルは「セレナーデ」なのだが、シューベルト関連本ではしばしば歌い出し部をタイトル代わりに用いている。注意が要るのはシェークスピアの独訳は第1節だけだ。2節3節は別人による追加。
原作「シンベリン」はブリテン王をめぐる「恋」の物語だが、どちらかというと描写の肝は「嫉妬」にある。ところが、一部を抜き出してシューベルトが曲を付けると屈託のないラヴソングになってしまう。8分の6拍子ハ長調。1小節目に現れる「F→H」という増4度の下降がロマンチックな感じ。
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