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2021年11月18日 (木)

歌のあるテンペスト

まったくもって私の勝手な命名だ。「Auf dem Wasser zu singen」D774のこと。「テンペスト」とはもちろんベートーヴェンのピアノソナタ第17番のことだ。同曲の第一楽章冒頭。

20211024_103330

赤枠で囲った部分の8分音符のイメージが、

20211025_161533

これに似ていると思うからだ。片や8分音符、片や16分音符。拍子も違えば調も違うのになぜか似ていると思うからこその命名。スラーでつながった2つの音が、さざ波のように下降を繰り返す枠組みが似ていると言えなくもない程度だ。

「水の上にて歌う」という邦訳の通り、この特色ある音型は、波か流れか水の動きを描写すると見て間違いあるまい。この音型が延々繰り返される中、旋律が載せられる。その旋律中にもさりげなく組み込まれることもまた印象深い。

見ての通り、調号はフラット4個。放置すれば変イ長調かヘ短調なのだが、様子が変だ、そう冒頭小節からいきなり、「C音」にフラットが寄り添う。これにより変イ短調がいきなり安定確保される、変イ短調は律儀に調号を付与したらフラット7個が必要なところ、フラット4個にとどめて、必要に応じた臨時記号でまかなっているけれど、歌が途切れる間奏部分には「C音」へのフラット関与はなくなるから、変イ長調の晴れ間がのぞく。けれど、歌が復帰する1小節前にはまたC音にフラットが奉られて、頑固に変イ短調が志向される。こうした枠組みは最後までかたくなに守られる。

名高い歌曲集「美しき水車小屋の娘」と作曲年代が近い。水の戯れという意味ではこちらの方が数段芸が細かい。水車小屋の主役はあくまでも娘なのに対して、こちらは水が主役だからかと妄想がやまない。

そうそう、フラット4個の曲が冒頭から変イ短調化する歌曲がブラームスにもあった。「エーオルスのハープに寄せて」op19-5だ。

 

 

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