続10000マルクの寄付
当時の10000マルクは現在のお金にして約500万円だという。晩年のクララにブラームスが半ば強引に援助したことは既に書いた。
ブラームスの弟フリッツが1886年に亡くなった。生前あまりソリが合わなかったブラームスだったが、当時としては結構な金額の遺産がブラームスにも回ってきた。その金額が10000マルクだったのだ。
ブラームスは迷わずその全額を継母カロリーネに贈与した。フリッツが病気の時の献身ぶりに対するお礼とも言われている。
父の晩年を穏やかなものにしたカロリーネに対する暖かな心配りはこれだけではない。先夫との間にもうけた息子フリッツとも親しく文通していた。何よりもブラームス自身の死去に際して、遺産遺品の一部が本人の意思でカロリーネに贈られた。それらは息子フリッツを通じて現在に伝えられているという。
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