リスク分散
ブラームスの財産管理はベルリンのジムロックだとばかり思っていたがどうももう一人いたようだ。音楽之友社刊行の「ブラームス回想録集」第2巻の179ページにウィーンのフェリンガー博士の名が上がっている。巨大企業ジーメンス&ハルスケ社のハプスブルク支店長で、彼の屋敷にはしばしばブラームスも出入りしていた。
ジムロックからの楽譜の出版は、ブラームスの収入の源泉だから、それをもたらすジムロックが管理するのは理にかなっている一方、普段ウィーンに住むブラームスの日常生活用のお金は、いちいちベルリンから取り寄せるのは不便だ。生活の本拠であるウィーンにも財産管理人がいるほうが何かと好都合だろう。リスク分散というより利便追求の結果だという気もする。
銀行にも顔が利くのだろう。うってつけの人物だ。
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