金銭感覚
お金に関する価値観は人それぞれだ。その人の立場や収入によって規定されることも多い。
記事「労働者の年収」で1882年のライプチヒの下級労働者の年収が推定出来た。およそ1000マルクだ。日本円で約50万円らしい。ブラームスの交響曲1曲の値段が15000マルクだという記事も書いた。日本円で約750万円だと述べ、高いような安いような微妙な値段だと論評している。ところが下級労働者の15年分の収入だと思うと、印象が変わる。
この周辺の金銭感覚は出来るだけ多くの実例を集めて、より現実感覚に即した解釈をしないと実態を見誤りかねない。
ブラームスに対抗する陣営の首領リヒャルト・ワーグナーの伝記を読んでいるとお金の使いっぷりに驚くことがある。ドイツの上流階級の年収の5倍の金額を1ヶ月で使ったというような指摘もある。これもまた一種の金銭感覚のなせる業である。
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