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2022年4月17日 (日)

自作への沈黙

ブラームスは出版済みの自作品に対して、著述にしろ発言にしろコメントを発することが極端に少なかったという。「ごくごく親しい友人相手」「ブラームスが上機嫌」「周りに人がいない」この3つの条件を満たした場合に、ごくまれに限定的な表現で自作に言及したらしい。

さらに作曲やピアノを教える側に回った場合、自作を教材に使うことは無かったという証言も複数残っている。

恐らくこれは作曲家としての強烈な自負の裏返しだと思われる。楽譜に全てを盛り込みきっているという自信とも言い換え得る。あるいは作曲家自身が作品について中途半端に言及することで、弾き手や聴き手に無用の先入観を与えかねないというリスク回避行動かとも考えられる。自作に標題を与えないという姿勢と一脈通じるものがある。

許されたのは自作を演奏することのみであったようだ。かくのごとき自作に対する沈黙ぶりは、禁欲的でさえある。この種のストイックさはブラームス作品の放つ禁欲的なオーラと矛盾しない。

だからその分だけ楽譜が大切なのだ。という毎度の落ち。

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