誇り高き戦場
父は洋画が好きだった。その影響で小学校から中学にかけて私もよく映画を見た。戦争映画と西部劇中心だった。
私の好きな映画は、「大脱走」「戦場に架ける橋」で、父のお薦めは「眼下の敵」や「ナバロン要塞」だ。「誇り高き戦場」もその一つだった。今は亡きチャールトン・ヘストン演じる高名な指揮者が、慰問演奏中オーケストラもろともドイツ軍の捕虜となる。ドイツの将軍との奇妙な友情が描かれる。記憶が曖昧で気持ちが悪いのだが、クライマックスで用いられたのがブラームスの交響曲だった記憶がある。当時はバリバリのベートーヴェン少年だったから気にも留めなかった。確認したくてDVDを探しているがなかなか見当たらない。
見当たらないと無性に見たいのが人情だ。思い詰めてあちこち当たっているうちにお宝情報を発見。
この映画「誇り高き戦場」はもちろん日本公開にあたっての題名、つまり邦題だ。オリジナルのタイトルは「Counterpoint」ということが判った。
のけぞった。
「Counterpoint」とは英語で「対位法」のことなのだ。アメリカの高名な指揮者と、ドイツの将軍という2人のやりとりがおそらくネーミングの肝なのだと思う次第だが、何というセンスだろう。ますますブラームスだったような気がしてきた。
本日4月3日はもちろんブラームスの命日。没後125年のメモリアルデーではあるのだが、亡き父の誕生日でもある。生きていれば87歳。
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