前奏曲の設置
組曲の基本形を下記の通り定義したばかりだ。
- 「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」がこの順で連続する。
- 終曲に「ジーク」を据える。
この定義両方を満たすのが「基本形」である以上、そこからの逸脱があるということが前提だ。本日はバッハを例にそうした逸脱を検証する。サンプルは昨日示した 35作品だ。
<作品先頭に序曲を据える>
上記定義を2つとも満たしながら、作品の先頭にプレリュードを置く例が、21曲中15例ある。基本舞曲4種に先立って序曲を付与している。先頭に置かれる曲種名は以下の通り8種類となる。
- Fantasia
- Ouverture
- Preambulum
- Preludio
- Preludium
- Preludo
- Sinfonia
- Toccata
上記定義を守らずに序曲だけを付与しているケースも10例存在する。序曲の付与は合計で25作品。71.45%となる。もはやバッハにとって序曲の付与が3分の2を超え、例外的な措置とは言えないとわかる。序曲が付与されないのは、フランス組曲と無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータだと記憶しよう。
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