ドイツ側の実態
組曲の舞曲配置についての下記定義を、ヴィヴァルディもコレルリも顧慮していないと書いた 。
- 「アルマンド」「クーラント」「サラバンド」がこの順で連続する。
- 終曲に「ジーク」を据える。
同時にフローベルガー提唱といわれるこの定義が、イタリアにまでは及んでいないと推測した。しからばバッハ以外のドイツではどうなっているのかという話だ。手元のCDのブックレット頼りの簡便法で確認してみた。上記定義を2つとも満足する作品が下記の通り発見できた。
- テレマン ニ長調ソナタ TWV41:D1
- テレマン ロ短調ソナタ TWV41:h1
- テレマン イ短調ソナタ TWV41:a1
- テレマン イ長調ソナタ TWV41:A1
- ブクステフーデ 変ロ長調ソナタ BuxWV273
- ブクステフーデ 組曲5番イ長調 BuxWV230
- ブクステフーデ 組曲11番イ長調 BuxWV236
- ブクステフーデ 組曲19番イ長調 BuxWV243
- ブクステフーデ 組曲ト長調 BuxWV242
- ブクステフーデ 組曲ホ短調 BuxWV235
- ブクステフーデ 組曲ハ長調 BuxWV226
- ブクステフーデ 組曲ニ短調 BuxWV233
- ブクステフーデ パルティータホ短調 BuxWV179
- エルレバッハ ソナタニ長調
- エルレバッハ ソナタホ短調
- エルレバッハ ソナタハ長調
- エルレバッハ ソナタ変ホ長調
- エルレバッハ ソナタヘ長調
- ヨハン・ヤコプ・ワルター 組曲9番ハ短調
- ヨハン・ヤコプ・ワルター 組曲20番ホ短調
- パッヘルベル チェンバロソナタNo26ニ短調
- パッヘルベル チェンバロソナタNo29ホ短調
- パッヘルベル チェンバロソナタNo34ト長調
CDのブックレット頼みの簡便法でこの大漁ぶりだ。イタリア側とのあまりの差に、フローベルガーの確立した舞曲配置は、ますますドイツのローカルルールだという気がしてきた。
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