舞曲順序の矛盾
フローベルガーのチェンバロ組曲を集めたCDが手元にある。「14の組曲ストラスブルク手稿譜」だ。成立は1675年で、フローベルガーの没後に写し取られた楽譜だ。チェンバロ組曲14作が収められている。その舞曲の並び順を以下に示す。調性とアドラー番号を添付する。A:Allmande/C:Courante/S:Sarabande/G:Gigue
- イ短調 Suite15 AGCS
- ホ短調 Suite27 AGCS
- ニ短調 Suite13 ACSG
- ト短調 Suitee18 AGCS
- イ短調 Suite1 AGCS
- ヘ長調 Suite17 AGCS
- イ短調 Suite28 ACSG
- ニ長調 Suite11 AGCS
- ハ短調 Suite19 AGCS
- ニ短調 Suite2 AGCS
- ト短調 Suite14 XCSG
- ト長調 Suite16 AGCS
- ホ短調 Suite23 ACSG
- イ長調 なし ACS
11番目Suite14の第一楽章は「Lamnento」となっている。14番目はアドラー番号なしで、全体が3つの楽章でできている。
一見してAGCSが多い。14曲中9曲が「Allmande」「Gigue」「Courante」「Sarabande」という順序になっている。一方、フローベルガーが確立したとされる「ACSG」はわずか3例に過ぎない。フローベルガーが確立したはずの曲順になっていない組曲の方が3倍も優勢だ。
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