近代秀歌
定家が実朝に贈った歌論書「詠歌口伝」の別名。その体裁は概ね下記の通り。
- 和歌の歴史
- 歌論・本歌取り
- 良い例 著名歌人6名の27作を引用 定家自身は入っていない。
- 悪い例 歌論で披露した戒めの違反
定家は「言葉は古きを、心は新しきを」と振りかぶる。古今集以前の歌を範とせよと説く。別の歌論書「毎月抄」では「初心者は万葉集を範とするな」と説いてもいるが、実朝に対してはそこまで釘を刺してはいない。「言葉は古きを」の具体策として「昔の歌の言葉を改めずに詠み据えよ」と諭す。これつまり「本歌取り」の推薦だ。
定家にとっては後鳥羽院を囲む和歌所の面々と語り合うなかで培った思いを箇条書きにした程度のことで、実朝に乞われてから考えたわけではあるまいが、贈られた10代の実朝は感激して真に受けた。
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