ふめんづら
「楽譜の見てくれ」のことだ。楽譜を見た感じの印象くらいのニュアンスで何ら難しいことはないがタイトルが平仮名になっているのは訳がある。これを漢字で書くとどうなるのか。おそらく「譜面面」なのだと思う。「面」が重なって落ち着かない。かといって「譜面づら」でもピッタリ来ない。実はこの言葉の表記が難しくて意図的に使わずにいた。決定版を見つけきれずにいる。よい知恵はないものか。
ブラームスの「ふめんづら」は独特だと思う。
- 音が多い。つまり譜面が黒い。
- オクターブや3度、6度での重音が多い。弦楽器でさえしばしば重音が要求される。
- しばしば旋律が3度6度オクターブで重ねられる。
- スラーがしばしば小節線をまたぐ。
- やけに長いスラーが多い。
- 異なるリズムが同時に鳴ることが多い。
- 実質変拍子でありながら、拍子記号を変更せずに押し通す。
- ちょっと見では気付かぬヘミオラが隠れている。
- 用語の使い方が多様で繊細。
「ブラームスの辞書」はこのうちの9番目だけを異常にクローズアップした書物である。
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