新古今和歌集受領
元久2年9月2日内藤知親は京都から新古今和歌集を持ち帰った。知親は定家の弟子で、その詠作が詠み人知らずとして「新古今和歌集」にも採用された人物で、実朝とは懇意の仲であったという。こうした縁で完成間もない「新古今和歌集」の全巻筆写と持ち帰りを命じられたということだ。
父頼朝や、頼朝と知見のある、西行、慈円に加え鎌倉と縁浅からぬ飛鳥井雅経などの実作に接した。何よりもそれは後鳥羽院を中心とする歌檀が総力結集した、たわわな果実だった。
このとき実朝14歳。つい半年前に12首歌を詠んだばかりだ。ここからますます歌の道に精進したに違いない。
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