リビオンディ
先日、銀座の王子ホールで大好きなビオンディ先生の演奏会を聴いてきた。一昨年、コロナの影響でキャンセルになっていたリベンジ 。イタリアバロックの合奏協奏曲集ということで以下のプログラムだ。
- コレルリ 合奏協奏曲ニ長調op6-4
- ジェミニアーニ 合奏協奏曲ト短調op3-2
- ロカテッリ 合奏協奏曲ニ長調op1-5
<休憩>
- ヴィヴァルディ 合奏協奏曲集「四季」全曲
いやいや凄かった。四季は春夏秋冬を掲げる4曲なのだが、曲間の拍手拒否。「緊密なアンサンブル」と申すはあまりに奔放。ヴァイオリンとヴィオラが腰かけていなかったこともあって、見た目は自由に弾いているように見えて呼吸はピタリということ。四季は第一と第二のヴァイオリンが3で、ヴィオラが2,チェロ2,コントラバス1、チェンバロ1、シュリモー1というシンプルな編成。CDよりは圧倒的に生がいい。視覚に飛び込んでくる彼らの弾きっぷりはCDではどうにもならぬ。シュリモーが、言い知れぬ説得力で、時にチェンバロを沈黙させて通奏低音を仕切る。春の2楽章の犬になりきるヴィオラのソロの大迫力は生の醍醐味。秋の2楽章は事実上のチェンバロ独奏。これまた事実上弾き振りのビオンディさんは、総奏に埋没するときは、客席に背を向けている。ソロの度にこちらを振り向いて弾いてくれるから、トゥッティとソロの対比が視覚的にも念押しされる。「正しい音がお知りになりたい方は楽譜をご覧ください」的な弾けっぷりであった。夏が終わったとき鳥肌が立った。そりゃイタリアだから物思いの秋にはならない。やっぱり四季は冬だわと思っているうちにあっという間に終わってしまった。
アンコールが3曲。冬の1,2楽章に誰かの曲が挟まっていた。
コメント