春深み
春深み嵐もいたく吹く宿は散り残るべき花も無きかな SWV82
「春深み」の「み」は受験生必須。形容詞に付き従って原因をあらわす。「春が深まったので」となる。小倉百人一首では「瀬を早み」「風をいたみ」がすぐに思い起こされる他、新古今和歌集には3首目「山深み」があらわれる。金槐和歌集には「春深み」で始まる歌が5首もあって「秋深み」と「冬深み」の2首を引き離して季節別ではトップ。「夏深み」は頻度の上ではやや落ちる気がする。散る花を惜しむ春の深まりだけが古来愛されてきたということかもしれぬ。
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