« ほととぎす | トップページ | 岩くぐる »
いにしへを偲ぶとなしに故郷の夕べの雨に匂ふ橘 SWV139
古来橘の花の香りは、昔を思い出させるものとされてきた。この前提を知ると知らぬとでは味わいが変わる。「故郷」は現代のニュアンスとは必ずしも一致しないが、もはやそちらは些末だ。「ふるさと」という音が肝で、これは「降る里」を想起させ、さり気なく「夕べの雨」に連結する。12番目の勅撰和歌集「続拾遺和歌集」に採用されている。
名前:
メールアドレス: (ウェブ上には掲載しません)
アドレス(URL):
内容:
コメント