視線の先
情報を求めて、音楽系書籍を手に取ると作品論と演奏家論の混在にいやでも気づかされた。演奏家論とふりかぶったところで、所詮中学生の話だ。限られた小遣いで少しでもいい演奏のLPをそろえたいという切実な事情によるものだ。「決定番的な良い演奏で全曲そろえたい」という思い詰めから、演奏家情報に触れるうちに、同曲異演の評論が、作曲家論、作品論と同等のボリュームだということにうすうす気づいた。
父の影響もあって同曲異演の聞き分けが出来るものだと真に受けた。「よし」とばかりにだ。高校に入って少し小遣いが増えると同曲異演ネタの収集に傾斜していった。
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