テンペスト
今や脳内ピアノソナタランキングの首位をワルトシュタインと争う位置にいる。作品31を構成する3つのソナタの真ん中。ベートーヴェン唯一のニ短調のピアノソナタ。第九と同じ調ではあるけれど、ニ短調ってベートーヴェンではあまり見かけない。短い2楽章を挟んだ1楽章とフィナーレの対比。とりわけフィナーレだ。16分音符が駆け巡りはするのだがベートーヴェンの指定は「アレグレット」にとどまっているのが印象的。
この引き留めを真に受けてじっくり聞かせるのがレーゼルで、「知らん」とばかりに疾走するのがグールドかと。この2人にグルダを加えた3人の演奏だけは目隠ししていても判別可能だ。
昨日話題にした「狩」のひとつ前。作品31を構成するのだが、残る1曲第16番ト長調もとてもいい。作品31恐るべし。これらまとめて1つの作品番号だなんてもったいない上に、誰にも献呈されていないとは。
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