貴族たちへ
ベートーヴェンの時代、作品はしばしば他者に献呈される。弦楽四重奏でいうと以下の通り。
1番から6番 作曲家ハイドンに献呈。
7番から9番 ラズモフスキー伯爵に献呈。
10番 ロブコヴィッツ侯爵
11番 ズメスカル男爵
12番、13番、15番 ガリツィン侯爵
14番 シュトゥッターハイム男爵
16番 J.N.ヴォルフマイヤー
大フーガ ルドルフ大公
見ての通り、貴族でないのはハイドンと16番の献呈先の2人だけ。もともとガリツィン侯爵の依頼で作った13番のフィナーレを独立させた「大フーガ」をお世話になったルドルフ大公に献呈するとは上手なやりくりだ。10番のロブコヴィッツ侯爵は伝記には欠かせぬ有力パトロンだ。
ワルトシュタイン伯爵がいないのが残念だ。
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