ファーストシンフォニー
私にとって最初の交響曲はベートーヴェンの第5番だった。最初に買ったレコードのA面ということ。B面は未完成交響曲だったが、もっぱらA面ばかり聴いていた。指揮者とオケがどこだったか記憶にない。1300円の廉価版だったとしか覚えていない。
世の中のクラシック愛好家で最初の交響曲が「運命」だったひとはどれほどの数なのだろう。運命動機は中学生だった私を揺さぶった。ベートーヴェンに扉を叩かれたということだ。私が扉を開けるやいなや上がり込んできて、およそ6年居座っていたということだ。音楽への傾倒、同時にそれはドイツへの傾倒でもあった。
イメージよりずっと短い交響曲だった。第三楽章からフィナーレの間に切れ目が無いことが割と異例だということを後から知った。フィナーレがハ長調というのが「苦悩を克服しての歓喜」を縁取っていると解説されて納得していた。終わりの和音が延々と続くことにもすぐに慣れた。
« 日本不在 | トップページ | 苦悩を克服して歓喜へ »
« 日本不在 | トップページ | 苦悩を克服して歓喜へ »
コメント