描写交響曲
「田舎に着いた時の愉快な気分」という標題で始まる第6交響曲である。第2楽章以降も同様の標題がつけられている。第五交響曲冒頭を「運命が扉を叩く音」という説明よりは数段自然だと思うのは今でこそで、中学当時はそこまで肩の力が抜けていなかった。第二楽章の小川の流れが終わりに近づくあたりで現れる鳥のさえずりを聴いて、「ベートーヴェンはすごい」と相当本気で感心した。
おぼろげにベートーヴェンは絶対音楽側の人だと思っていたので、こうした標題然とした作品もかけるんかと感心した。高校になると、こんだけ標題に寄り添っていながらソナタの枠組みはきちんと守られていると知ってやはり感心した。直後に続くロマン派の時代に花咲く交響詩の祖先かとも勝手に納得していた。そう「モルダウ」の先祖に違いないと。
社会人になってやっとヴィオラで演奏に参加して楽しさが身に染みた。第2楽章「小川のほとり」が微妙なこと。第3楽章以降切れ目がない必然性にも胸を熱くした。
今ではベートーヴェンの脳内交響曲ランキングで首位の座を7番と争っている。
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