バリトンの饗宴
中学時代、第九のフィナーレが唯一の声楽へのコンタクトだった。歌手たちとりわけバリトンをかっこいいと思った。がしかし、興味の対象が拡大するにつれて事情がわかってきた。ほとんどの歌手にとって第九の独唱はレパートリーの中核とは言えないということだ。極端な話「1にオペラ、2にオペラ、3,4がなくて5にリート」というのが実態だと感じた。非ドイツ系の歌手にいたっては「5もオペラ」かもしれぬ。日本でCDが売れるというだけでは、小遣い稼ぎ程度の位置づけかと。
嘆いてばかりいてもブログにならぬから、本日は我が家所有の第九のCDをバリトン独唱をキーに録音順に列挙する。
- 1951 オットー・エデルマン フルトヴェングラー/ウィーンフィル
- 1952 ルードヴィッヒ・ウェーバー E・クライバー/ウィーンフィル
- 1957 ハンス・ホッター クレンペラー/フィルハーモニア管
- 1957 フレデリク・ガスリー 米 クリュイタンス/ベルリンフィル
- 1958 ディートリヒ・フィッシャーディースカウ フリッチャイ/ベルリンフィル
- 1959 ウイリアム・ヴィルダーマン ワルター/コロンビア管
- 1961 ドナルド・ベル セル/クリーヴランド管
- 1961 ドナルド・グラム ライナー/シカゴ響
- 1971 カール・リッダーブッシュ ベーム/ウイーンフィル
- 1972 マルッティ・タルヴェラ ショルティ/シカゴ響
- 1974 ドナルド・マッキンタイヤー ケンペ/ミュンヘンフィル
- 1975 トマス・スチュアート クーベリック/バイエルン放送響
- 1977 ジョセ・ファンダム カラヤン/ベルリンフィル
- 1979 クルト・モル バーンスタイン/ウイーンフィル
- 1980 テオ・アダム ブロムシュテット・ドレスデン国立歌劇場管
- 1981 ジョン・トムリンソン ザンデルリンク/フィルハーモニア管
- 1986 ヘルマン・プライ アバド/ウィーンフィル
- 1986 ハンス・ゾーティン ショルティ/シカゴ響
- 1986 ロナルド・ヘルマン ヴァント/北ドイツ放響
- 1987 ペテリ・ザルマア ノリントン/ロンドンクラシカルプレーヤーズ
- 1989 ペーター・リカ チェリビダッケ/ミュンヘンフィル
- 1990 サイモン・エステス ジュリーニ/ベルリンフィル
- 1999 ハンノ・ミュラー・ブラッハマン ギーレン/南西ドイツ放響
- 2002 トマス・ハンプトン ラトルウィーンフィル
- 2008 ハンノ・ミュラー・ブラッハマン シャイー/ゲヴァントハウス管
ハンノ・ミュラー・ブラッハマンが重複するので24名となる。我が家のブラームスリートのCDとかぶる人を青文字にしてある。バリトンのうたいっぷりだけで申すと、フリッチャイと組んだフィッシャーディースカウ。録音はこれだけなので猶更である。リッダーブッシュ/ベームとヘルマン/ヴァント、あるいはモル/バーンスタインもいい線である。
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