二管編成
これでオーケストラの編成が言い表されている。
演奏に参加する弦楽器の本数は、管楽器の本数から半ば自動的に決まるとされているので、管楽器の本数だけを言えばオーケストラの規模が決まるのだという。何かと例外も多いが、大雑把にイメージを把握するには便利な言い方だ。
「二管編成」とは文字通り管楽器2本を意味する。各種管楽器が2本づつという訳である。これを基本にしてさえいれば少々入れ替わりがあっても「二管編成」と呼び得る。たとえばフルートがピッコロ持ち替えだとかオーボエがコールアングレ持ち替えでも可だ。ホルンだけ3ないしは4でも大目に見ることもある。弦楽器はヴァイオリンは各々5プルト、ヴィオラ、チェロ3プルトのコントラバス2プルトといった感じだ。
何を隠そうこれがブラームスの管弦楽の基本編成だ。ホルンはしばしば4本使われるし、トロンボーンが3本のこともあるが断じて「三管編成」までは行かない。強いて言うなら「2.5管編成だろう。ブラームスの晩年には四管だって珍しくはなくなっていたが、断固二管編成にとどまった。昨今、「倍管」と称して管楽器にアシを付けての演奏も見かけるが、これは四管編成とは当然区別されている。
時代が新しくなるにつれてこれが三管、四管・・・・・という具合に増強が進んで行く。五管はおろか八管まであるという。実際に見たことはないが、ブラスバンドと弦楽器のジョイントコンサートみたいな感じなのだろうか。小学生が考えると二管編成でヴァイオリンが5プルトなのだから八管編成だと20プルトということになる。
何だか戦艦の主砲みたいだ。ブラームスは平和主義者だ。三管、四管、五管と続く軍備増強には背を向けていた。管楽器増やせばいいってモンでもなかろうと思っていたことは確実と思われる。ドヴォルザークはやや大きめの二管編成と考えられている。
そうそう、ベートーヴェンだって二管編成だ。
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