ネイティブの歌手たち
クラシック音楽の世界で歌手と呼ばれる人たちは、お生まれの国に関係なく、イタリア語とドイツ語は必須だと思われる。英語、中国語、スペイン語など、使用人口の多い言語はあるにはあるけれど、クラシックのレパーリーからは断じてイタリア語とドイツ語だろう。ましてやCDが発売されているような歌手は、この両言語について課題を抱えているなどということはあり得まい。
がしかし、先の第九のリストで、バリトンの歌いっぷりを比較するに及んで、やはりネイティブのドイツ語スピーカーの歌唱の方がいいかなと感じ始めている。発音のなじみっぷりとか、間合いとかの話である。中学時代にカタカナで第九のフィナーレを丸暗記した経験から、どうも非ドイツ語圏の歌手たちの歌い方にカタカナ感が見え隠れする気がしている。なんだか堅苦しい感じがぬぐえない。これは演奏を聞き分けるよい材料でもある。とはいえ、ドイツレクイエムやリートを聴いている限りはあまり感じなかった。
イタリア語のオペラはイタリア人歌手の方がいいのかという突っ込みは覚悟で申している。
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