フィデリオ
ベートーヴェンが遺した唯一のオペラのタイトルだ。無実の罪で監禁される夫の救出に奮闘する妻の物語だ。救出のチャンスを伺うために妻は「フィデリオ」と名乗って男になりすます。夫婦の愛が主題だ。
周知の通りブラームスはベートーヴェンを尊敬していたが、「フィデリオ」については手放しの称賛ではなかったらしい。相手や言葉を慎重に選びながら苦言を呈することも忘れない。
ハンブルクフィルハーモニーのポストにありつけなかった失意のブラームスにウィーン進出を促した人々がいた。その一人がルイーゼ・ドゥストマンという女性だ。ウィーン宮廷歌劇場の歌手だ。しかも下っ端ではない。「フィデリオ」のタイトルロールを努めたとされている。つまり主役レオノーレを歌ったということだ。
ブラームスはウィーン進出前に既に少々のコネを持っていたということだ。無闇に故郷を飛び出した訳ではなかった。
1814年5月23日、ウィーンにて歌劇「フィデリオ」初演。つまり今日初演209周年だ。
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