フリッチャイ
「パズル交響曲の13人 」の選定を決めた瞬間に、「第九」はフリッチャイと決めていた。申し訳ないがそれは、フィナーレのバリトン独唱がディートリヒ・フィッシャーーディースカウだからである。しかしだフリチャイがベルリンフィルを振ったその演奏はただ者ではない。
莫大な量の録音を残したフィッシャー-ディースカウ先生ではあるのだが、第九はフリッチャイ盤だけだ。世に出るアシストをしてもらった恩義かもしれぬ。彼の膨大なレパートリーからしたら間違えても本流とは言えないながら、他のバリトンたちを圧倒する歌唱。何度聴いてもすぐ彼とわかる。
それにしてもフリチャイだ。セル、ショルティに続きまたハンガリーだ。多くは米国のオケを振って名を成したが、この人が振っているのは、ベルリンフィルだ。若くしてこの世を去ったせいか、ベートーヴェンは3,5,6,7,9番だけしか残っていない。彼がベルリンフィルを振っているために、パズル的にカラヤンも、ラトルも、クリュイタンスもフルトヴェングラーも圏外に追いやることになる。
フリッチャイとディースカウ先生のコラボなら致し方あるまいと自分に言い聞かせている。
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