両足踏みっぱ
記事「踏みっぱ大王」で、BWV540の特異なペダル使用について嬉々として言及した。その周辺を調べていたらお宝に遭遇した。プレリュードト長調BWV568だ。
赤枠で囲んだ3小節間、ペダルのパートがオクターブの「C」音の伸ばしだ。赤枠の始まるのが23小節目である。これまさか片足ではあるまいな。つま先とかかとを用いてとか、特殊なシューズでとか。見ると24小節目からト音記号のところを両手で弾くように見える。音域が離れていて、左手がオクターブ伸ばしの上と旋律の下を弾くにも無理がありそう。
おおっとうなっているとさらに36小節目からは以下の通りの「H音」のオクターブ。
足鍵盤と左手だ。よくよく見ると左手はト音記号部分の下の旋律を弾いているに違いない。今度は音域が近くて何とかなる。
バッハはこの両者を書き分けている。CDを聴くと両足オクターブの部分の響きが深い。
さしてメジャーではない作品だがとても丁寧で可憐だ。
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